データ保護センター/Box/管理者向けBoxデータのバックアップガイド

カテゴリー

この記事では

  • データ保持の標準機能
  • Boxをバックアップする標準的な方法
  • サードパーティサービスでBoxをバックアップ
  • よくある質問

管理者向けBoxデータのバックアップガイド

4 Dec 2023
読了時間:約4分
執筆者:Sudhakar Madhineni

記事の概要

  • Boxの標準バックアップ機能は制限事項が多く、また、自動化されていません。
  • Boxで削除されたファイルは「ごみ箱」に移動され、30日後に完全に削除されるため、復元期間に制限があります。

解決策

SysCloudは、Boxのデータを自動的かつ継続的にバックアップし、すべてのデータを安全に保持します。特定のファイルやデータセット全体を復旧できる高度な復旧機能で、容易にデータを復旧することが可能です。

Boxは、クラウド技術を活用して、企業のコラボレーション、コンテンツ管理、ファイルの転送・保存、セキュリティコンプライアンスを効率化するソリューションを提供し、クライアントがより少ないリソースで多くの業務を遂行できるように支援する企業です。Boxは、さまざまな業界で活用されており、フォーチュン500企業の68%が業務効率化のためにBoxを導入しています。


本記事では、Boxのファイルバックアップとデータ保持の重要性、それらを実施する方法、およびそれぞれの選択肢に伴う制約事項について詳しく解説します。さらに、サードパーティ製のバックアップソリューションのメリット・デメリットや、よくある質問についても解説します。

まずはじめに、「データ保持」と「バックアップ」の違いを理解しておくことが重要です。
  • データ保持:組織が必要なデータやファイルを一定期間保存する仕組みで、主に法的要件に対応するために利用されます。
  • バックアップ:重要なデータやファイルを保存する点では共通していますが、定期的にコピーを作成・更新し、データ漏えいやシステム障害などの不測の事態が発生した際に復旧できるようにする目的があります。
データを適切に保存することが重要と言われるのは、Boxのようなクラウドサービスを利用している場合でも、サービス提供企業はデータの盗難や損失に対する責任を負わないためです。
しかし、Boxのようなサービスには、ファイルをバックアップまたは保持するための標準機能が備わっており、同様の目的を達成するためにサードパーティと連携することも可能です。



1. データ保持の標準機能

Box Governance

Box Governanceは、Boxのデータにリテンション(データ保持)ポリシーを設定し、ユーザーが指定した期間データを保持できる機能です。設定した期間が終了すると、データは削除または消去されます。
このカスタマイズ可能なリテンション機能により、必要な期間中はデータにアクセス可能な状態を維持できるため、誤って削除した場合や意図的に削除された場合でも、データが完全に失われることはありません。
以下に、Boxでリテンションポリシーを作成する手順を紹介します。
  • ステップ 1:Boxアカウントにログインし、管理コンソールの「Governance」に移動します。

  • ステップ 2:「リテンション」タブを選択し、「リテンションポリシーを作成」をクリックします。

  • ステップ 3:ポリシー名、ポリシーの説明、リテンションタイプ、ポリシーを適用させるデータ、およびポリシーの期間など、データ保持の詳細を指定した後、「次へ」をクリックします。

  • ステップ 4:ポリシーが特定のフォルダまたは特定のメタデータに適用させる場合、それぞれ「フォルダの選択」または「メタデータの選択」を選択し、リテンションポリシーで保護したいフォルダまたはメタデータを選択します。

  • ステップ 5:リテンションポリシーを確認します。警告ボックスに必要なチェックを入れ、「ポリシーの開始」を選択します。これでリテンションポリシーが適用されます。

Box Governanceリテンションポリシーの制限事項

  • リテンションポリシーは、選択したフォルダー内のファイルにのみ適用され、サブフォルダーには適用されません。

  • 一度有効化されたリテンションポリシーは、設定した期間が終了するまで継続され、途中で編集や停止を行うことはできません。

  • 本機能はEnterprise Plusプランのユーザー限定の機能で、その他のBusinessプランユーザーは有料アドオンとして提供されています。

リーガルホールド

リーガルホールドは、Box Governanceの機能の一つであり、法的に重要な情報が削除されるのを防ぐための機能です。これにより、データが意図せず消去されることなく、必要な期間保持されるようになります。
以下に、リーガルホールドを作成する手順を紹介します。
  • ステップ 1:リーガルホールドを作成するには、Boxアカウントにログインし、管理コンソールの「Governance」に移動し、「リーガルホールド」を選択します。

  • ステップ 2:「作成」をクリックします。

カストディアン(管理対象ユーザー)に対するリーガルホールドポリシーの作成

  • ステップ 1:「リーガルホールド名」を入力します。「説明」は任意で入力します。

  • ステップ2:「ユーザー(カストディアン)」を選択します。

  • ステップ3:ファイルを保持する期間の日付範囲を選択します。

  • ステップ4: これらの詳細を確定した後、「次へ」をクリックします。

  • ステップ5:「カストディアンを追加」を選択します。

  • ステップ6:「ユーザー」ボックスに移動し、カストディアンとして追加したい全員の名前を入力し、「追加」ボタンをクリックします。

  • ステップ7:「次へ」をクリックして、リーガルホールドの詳細を確認します。

  • ステップ8:「ポリシーの開始」をクリックし、リーガルホールドを適用させます。

フォルダに対するリーガルホールドポリシーの作成

  • ステップ1: カストディアンの場合と同様に、リーガルホールドの名前と説明を入力します。

  • ステップ2:「ポリシーの適用先」で「フォルダ」を選択します。

  • ステップ3:「次へ」をクリックします。

  • ステップ4:「フォルダを選択」をクリックします。

  • ステップ5:検索ボックスで必要なフォルダを見つけます。ユーザー名でファイルをフィルタリングすることもできます。

  • ステップ6:検索結果から、リーガルホールドを適用したいフォルダを選択します。

  • ステップ7:リーガルホールドの詳細を確認して「次へ」をクリックします。

  • ステップ8:「ポリシーの開始」をクリックしてリーガルホールドを適用します。

リーガルホールドの制限事項

  • カストディアン(管理対象ユーザー)を選択し、その所有データに対してリーガルホールドを設定する際、開始日および終了日は一度選択すると変更できません。

  • 終了日を設定した場合、選択した開始日から終了日までのデータのみがリーガルホールドの対象となります。

  • カストディアンとして指定できるのは、既にアカウント内に存在しているユーザーのみです。

  • Box Governanceの機能は、リーガルホールドはEnterprise Plusプランのユーザー、または他のBusinessプランに有料アドオンとして追加したユーザーのみが利用可能です。

  • リーガルホールドはフォルダに適用することも可能ですが、サブフォルダにも適用されます。要件によっては、この範囲の広さが望ましくない場合もあります。

2. Boxをバックアップする標準的な方法

Boxのファイルを保存するために利用できる唯一の標準的な方法は、Boxからファイルやデータを自分のコンピューターにダウンロードすることです。

単一ファイル/フォルダのダウンロード

  • ステップ 1:Boxアカウントにログインし、ダウンロードしたいファイル/フォルダを選択します。選択されると、該当するボックスがハイライト表示されます。

  • ステップ 2:画面右上にある「ダウンロード」アイコンをクリックします。ダウンロードしたファイル/フォルダは、「ダウンロード」フォルダに保存されます。

複数ファイル/フォルダを一度にダウンロードする方法

  • リスト内にすべての対象がある場合:キーボードの「Shift」キーを押しながら、ダウンロードしたい最初と最後のファイルまたはフォルダーを選択します。これにより、それらの間にあるすべてのデータも選択され、デバイスに一括でダウンロードされます。

  • リスト内で順番が揃っていない場合:キーボードの「Control」キー(Macの場合は「Command」キー)を押しながら、ダウンロードしたいファイルを個別に選択します。

データダウンロードの制限事項

  • データは、あくまでもデバイス上にダウンロードされるだけです。そのため、ウイルス感染などの問題が発生した場合、ファイルが破損したり、失われたりする可能性があります。この方法は、デバイス外部にファイルをバックアップする場合と比べて、安全性や有効性が劣ります。

3. サードパーティサービスを利用したBoxのバックアップ

BoxをGoogleドライブにバックアップする方法

ファイルのセキュリティや参照用など、バックアップの一般的な理由に加え、BoxのファイルやフォルダをGoogleドライブにバックアップすることは、特有のメリットがあります。例えば、Boxではプランに応じて単一ファイルのアップロード容量に制限があります。安価なBusiness Starterプランでは、最大2GBまでのファイルしかアップロードできないため、それ以上のファイルをアップロードするには、より費用の高い「Enterprise Plus」プランにしなければなりません。(Enterprise Plusは1回のアップロードで最大150GBまで対応可能)また、Boxの無料ストレージは10GBしかありませんが、Googleドライブは15GBの無料ストレージを提供しています。 以下は、BoxのファイルをGoogleドライブにバックアップする方法です。
  • ステップ 1:Boxアカウントにログインして、ダウンロードしたいファイルをデバイスにダウンロードします。(ファイルを右クリックし、メニューから「ダウンロード」を選択)

  • ステップ 2:Googleドライブアカウントにアクセスし、「マイドライブ」から「+新規」をクリックします。

  • ステップ 3:「ファイルをアップロード」をクリックして、ステップ1でダウンロードしたファイルを選択し、Googleドライブにアップロードします。

Googleドライブの制限事項

  • この方法は比較的簡単ではありますが、バックアップしたいファイルが大量にある場合、手間がかかる点に注意が必要です。

  • 「フォルダをアップロード」を選択することで、フォルダ内のすべてのファイルをまとめてバックアップすることは可能ですが、複数のフォルダをアップロードまたは保存する場合も、この作業は煩雑になることがあります。

BoxをDropboxにバックアップする方法

BoxとDropboxは類似したサービスですが、ファイルを一方から他方へ転送するには、従来の方法である「一方のアカウントからファイルをダウンロードし、もう一方にアップロードする」という手順を取る必要があります。
以下は、BoxのファイルをDropboxにバックアップする基本的な方法です。
  • ステップ1:Boxアカウントにログインして、ダウンロードしたいファイルをデバイスにダウンロードします。(ファイルを右クリックし、メニューから「ダウンロード」を選択)

  • ステップ2:Dropboxアカウントにログインし、「アップロードまたはドロップ」をクリックします。ファイルまたはフォルダのどちらをアップロードするか選択します。

  • ステップ3:アップロードしたいファイルまたはフォルダを選択し、「開く」をクリックすることでアップロードされます。

Dropboxの制限事項

  • Googleドライブと同様に、大量のデータを転送したい場合、ファイル/フォルダのダウンロードおよびアップロードの手順が手間に感じられることがあります。

  • さらに、大量のデータを扱うとアプリケーションの動作が遅くなる可能性があります。

SysCloudを使用してBoxをバックアップ

SysCloudのBoxバックアップは、Boxのすべてのデータに対して、安全なクラウド領域に自動的にバックアップを行います。SysCloudを利用することで、管理者は以下の操作が可能になります。
  • バックアッププロセスを自動化し、エラーを効率的に管理

  • 共有権限や元のフォルダ構造を保持したまま、任意の時点のバックアップからデータを復旧

  • 共有権限やフォルダ構造を保持したまま、任意のBoxアカウントにデータを復旧

  • 個々のファイル、フォルダ、またはBoxアカウント全体をエクスポート

4. Boxバックアップに関するよくある質問

  • Boxはどれくらい安全ですか?

Boxは、アカウントに対して二要素認証を設定できるほか、保存されたデータに対して256ビットAES暗号化を適用し、ファイル転送にはTLS/SSL暗号化を使用しています。これにより、Boxは比較的安全と言えます。
また、リンクを介して他者とファイルを共有する際に、パスワードを要求することでファイルを保護することができます。
しかしながら、Boxはユーザーが提供する情報だけでなく、サービスを利用する中で収集した情報も取得するため、ユーザーの情報が厳密に保護されているわけではありません。
  • Boxのごみ箱にあるファイルやフォルダは、削除後どのくらい保持されますか?

ファイルやフォルダは、削除後30日間ごみ箱に残ります。その後、復元できなくなります。(BusinessおよびEnterpriseアカウントのユーザーは、この保持期間を変更することが可能)
  • ごみ箱から削除されたファイルやフォルダは復元できますか?

はい、可能ですが、復元できる期間は14日間のみとなり、必ずしも復元が保証されるわけではありません。詳しくはこちらをご覧ください。

  • コラボレータはBoxのファイルやフォルダを削除できますか?

はい、可能ですが、「共同所有者」または「編集者」の権限が与えられている場合に限られます。さらに、その場合でも削除できるのはサブフォルダのみです。コラボレータが削除したフォルダは、他のコラボレータのBoxからも削除されてしまいます。
  • Boxはオフラインでもアクセスできますか?

通常、Boxのファイルはクラウド上に保存されているため、オンラインでのみアクセス可能です。しかし、デスクトップアプリ「Box Drive」を利用すると、特定のファイルをオフラインアクセス用に指定できます。
この設定を行うと、ファイルのコピーがデバイスにダウンロードされ、オフラインでも使用できるようになります。
SaaS運用に役立つノウハウをお送りします。

スパムメールは送信しません。いつでも簡単に登録解除が可能です。

この記事では

  • データ保持の標準機能
  • Boxをバックアップする標準的な方法
  • サードパーティサービスでBoxをバックアップ
  • よくある質問

Boxバックアップを無料でお試しください

30日間無料トライアル開始
認定資格
認定資格