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この記事では

  • Boxファイルを削除するとどうなりますか?
  • ごみ箱から削除されたBoxファイルを復元する
  • 完全に削除されたBoxファイルを復元する
  • サードパーティのクラウドバックアップを使用して削除されたファイルを復旧する
  • Boxデータの完全削除を防ぐ方法
  • Boxのデータ復元に関するよくある質問

Boxから削除されたファイルを復旧する方法 - 完全ガイド

23 Jan 2024
読了時間:5分
執筆者:Anju George

記事の概要

Boxの削除されたファイルを復元する際、標準機能には以下の制限があります。
  • 削除されたファイルは、30日以内であればごみ箱から復元可能ですが、完全削除(パージ)された場合は14日間の猶予期間内にBox Product Supportに問い合わせすることで復元が可能です。ただし、復元が成功する保証はありません。

  • ごみ箱から復元した際には、共有リンクの有効期限設定など、重要なメタデータは復元されません。

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Boxは、97,000社以上の企業やFortune 500の68%の企業に利用されている人気のクラウドベースのファイルストレージおよびコラボレーションアプリケーションの一つです。Boxの普及が進むにつれて、誤って削除されたデータやランサムウェア攻撃などによるデータ損失のリスクも高まっています。 本記事では、削除されたBoxファイルを管理者およびユーザーが復元する方法を解説するとともに、Boxデータの誤削除を防ぐためのベストプラクティスについても紹介します。

1. Boxファイルを削除するとどうなりますか?

1. Boxファイルを削除するとどうなりますか? Boxでは、削除されたファイルやフォルダはデフォルトで30日間ごみ箱に保存され、その後完全に削除されます。BusinessアカウントまたはEnterpriseアカウントの管理者は、Boxのごみ箱内のファイルのデフォルト保持期間を変更することができます。(デフォルトの保持期間を変更する方法についてはこちらをご覧ください)ごみ箱内にある間は、削除されたアイテムを元の場所に復元することが可能です。 30日後(またはカスタム保持期間が終了した後)、ファイルはごみ箱から完全に削除されます。保持期間が終了する前に、手動でファイルをごみ箱から削除することも可能です。ごみ箱からファイルが完全削除(パージ)された場合、有料プランであれば14日間の猶予期間があり、この期間中に管理者はBox Product Supportに連絡して削除されたコンテンツを復元することができます。ただし、この14日間の猶予期間を過ぎると、Boxのごみ箱から削除されたファイルやフォルダは復元できなくなり、永久に失われます。 なお、この復元猶予期間は無料アカウントには適用されません。Boxは、無料のIndividualプランではファイルの復元には対応しておりません。

補足:


  • ごみ箱内のアイテムは、総ストレージ容量の計算には含まれません。
  • コラボレーションフォルダー内でファイルが削除された場合、所有者と削除した本人の両方がごみ箱からそれらのファイルを復元することができます。
  • 以前削除したファイルやフォルダーのコラボレーターから外された場合、そのアイテムはごみ箱に表示されなくなります。該当アイテムを再び表示するには、再度そのアイテムのコラボレーターに追加される必要があります。

2. ごみ箱から削除されたBoxファイルを復元する

Boxデータは、削除後30日以内(または管理者がデフォルトの保持期間を変更している場合はそのカスタム保持期間内)であれば、ごみ箱から復元することができます。ただし、手動でごみ箱から削除された場合は復元できません。
以下の手順に沿って、ごみ箱から削除されたBoxファイルを復元してください。
  • ステップ 1:Boxアカウントにログインし、ごみ箱フォルダをクリックして開きます。

ゴミ箱から削除されたファイルを復元する
  • ステップ 2:ごみ箱には、削除したすべてのファイルとフォルダのリストが表示されます。上部の検索バーを使用して、特定のファイルまたはフォルダを検索できます。

  • ステップ 3:復元したいアイテムの横にある省略記号(...)ボタンをクリックし、復元をクリックします。

  • ステップ 4:OKをクリックして確認します。

ゴミ箱からBoxファイルを復元する

ゴミ箱から復元の確認
ごみ箱からファイルを復元すると、Boxは以下の詳細情報も復元します。
  • 説明

  • タグ

  • コメント

  • タスク

  • 共有状態(共有リンクが有効か無効か)

  • コラボレータ

ただし、以下の詳細は復元されません。
  • 共有リンクの有効期限の設定

  • 削除の有効期限の設定

2.1. ごみ箱から削除されたBoxファイルを復旧する際の制限事項

  • ごみ箱内のファイルには保持期間があり(デフォルトでは30日)、期間を過ぎると自動的に削除されます。

  • ごみ箱から完全に削除(パージ)されたファイルは、有料プランのユーザーに限り14日間の猶予期間があり、この期間中に管理者がBox Product Supportへ連絡することで、復元を依頼することができます。ただし、復元の成功は保証されていません。14日間を経過するとデータは完全に失われます。

  • ユーザーは保持期間が終了する前に手動でごみ箱を空にすることも可能です。この操作を行うと、ごみ箱内のすべてのアイテムが即座に完全削除され、復元はできなくなります。

3. 完全に削除されたBoxファイルを復元する

ごみ箱から完全に削除(パージ)されたBoxファイルを復元するには、管理者が削除後14日以内にBox Product Supportへ連絡する必要があります。
以下の手順でBox Product Supportにお問い合わせください。
  • ステップ1:Boxサポートページにアクセスします。削除されたファイルがあるアカウントでログインしていることを確認してください。

  • ステップ2:即時対応が必要な場合は、サポート担当者と直接チャットして復元のサポートを受けます。ライブチャットが利用できない場合は、「Submit a Case」を選択し、サポートチームに問い合わせを送信します。


    注意:復元の成功は保証されていません。14日間を過ぎた場合、ファイルは完全に失われ、復元できなくなります。

ボックス削除ファイルの復元 - ケースを提出
  • ステップ3:ドロップダウンメニューから「Administrative Request」(管理リクエスト)を選択します。

  • ステップ4:「Type of Administrative Request」(管理リクエストの種類)の項目で「Other」(その他)を選択します。

    削除されたファイルに関する詳細情報(ファイルの種類、削除されたおおよその日時、その他関連情報)を含めた簡潔な説明を入力し、「Submit」(送信)をクリックしてください。

詳細を入力して、Box サポートリクエストを送信

送信後の流れ:

サポートチケットの会話ボックスが表示され、Boxサポートの担当者が対応します。ファイル復旧のリクエストについて相談してください。
また、Boxサポートから追加情報を求めるメールが届く場合があります。その際は、以下の詳細情報を含めて返信してください。
  • 紛失したコンテンツの名前
  • フォルダの所有者(メールアドレスを含む)
  • 完全なフォルダーパス
  • コンテンツが削除された、または紛失に気付いた時期
提供された情報に基づき、Boxサポートがファイルの復元を試みます。

3.1. ごみ箱から完全削除されたBoxファイルの復元に関する制限事項

  • 14日間の猶予期間:Boxのサポートは、ごみ箱から完全削除(パージ)されたファイルの復元を削除後14日以内であれば対応できますが、それ以降の復元は保証されません。

  • 詳細情報の提供が必要:削除されたファイルの復元には、ファイル名、削除日時、フォルダの所有者情報などの詳細な情報が必要ですが、それらが常に入手可能とは限りません。

  • 復元の保証は無し:リクエストしたすべてのファイルが復元できるとは限りません。

  • 対応の遅延:Boxサポートとのやり取りに時間がかかる場合があり、復元プロセスが長引く可能性があります。

4. サードパーティのクラウドバックアップを使用して削除されたファイルを復旧する

Boxの復元機能には制限事項があるため、データ損失時に迅速に復旧できるよう、サードパーティのクラウドバックアップツールを活用してBoxデータをバックアップすることが重要です。

SysCloudのBoxバックアップ は、すべてのBoxデータを自動かつ安全にバックアップします。SysCloudを使用することで、管理者は以下のことが可能になります。

  • バックアップやエラー管理タスクを自動化

  • 任意の時点のバックアップスナップショットから復旧(共有権限とフォルダ構造を保持)

  • 任意のBoxアカウントへ復旧(共有権限とフォルダー構造を保持)

  • ファイル、フォルダ、または Boxアカウント全体をエクスポート

5. Boxデータの完全削除を防ぐ方法

5.1. 保持ポリシーとリーガルホールドポリシーを活用する

Boxデータの完全削除を防ぐには、保持ポリシー(Retention Policy)またはリーガルホールドポリシー(Legal Hold Policy)を適用し、データを一定期間保持することが有効です。

  • 保持ポリシーを適用すると、設定した保持期間が終了するまで、コンテンツが完全削除されることはありません。
  • ユーザーは保持ポリシーやリーガルホールドの対象となるファイルを削除できますが、ごみ箱から完全削除(パージ)することはできません。
  • 保持期間中は、ごみ箱に移動したファイルを元の場所に復元することが可能です。

Boxデータにおける保持ポリシーの詳細については、Boxの公式ドキュメント「リテンションおよびリテンションポリシーについて」を参照してください。


注意:保持ポリシーやリーガルホールドは、コンプライアンス目的でデータを保持するための機能であり、バックアップの代替手段としては適していません。

5.2. ごみ箱設定を活用する

Boxの管理者は、ごみ箱の設定をカスタマイズすることで、企業内での意図しないデータ削除を防ぐことができます。

ごみ箱設定にアクセスする手順:
管理コンソール(Admin Console) に移動する
「Enterprise Settings」(エンタープライズ設定)を選択
「Content & Sharing」(コンテンツ&共有)タブを開く
ページの下部までスクロールして、ごみ箱の設定を確認・変更する
適切なごみ箱ポリシーを設定することで、データの誤削除を防ぎ、企業のデータ管理を強化できます。

ゴミ箱設定のカスタマイズ

ゴミ箱設定のカスタマイズ

5.2.1. 削除権限の制限

Boxの管理者は、ごみ箱からコンテンツを完全削除できるユーザーを制限することが可能です。設定オプションは以下の通りです。

  • すべてのユーザー(Everybody):自動化処理やポリシーを含め、全ユーザーが削除可能

  • 誰も削除不可(Nobody):ユーザーもポリシーもコンテンツを削除不可

  • ポリシーのみ(Policy Only):ユーザーによる削除は禁止し、ポリシーのみが削除可能

  • 管理者のみ(Admin Only):管理者だけが削除可能

  • 管理者および共同管理者(Admin and Co-Admins Only):管理者と共同管理者のみ削除可能

  • 選択したユーザーのみ(Selected Users):最大1,000人までの特定のユーザーに削除権限を付与(グループ単位での設定は不可)

この設定を適切に行うことで、データの誤削除を防ぎ、企業のデータ保護ポリシーを強化できます。

補足情報:

  • この制限を設定しても、ユーザーはアイテムをごみ箱に移動することは可能です。 ただし、完全に削除できるのは指定された権限を持つユーザーのみとなります。
  • ごみ箱内のコンテンツを完全削除できるユーザーを指定する機能は、Box Governanceパッケージの一部として提供されています。

5.2.2. ごみ箱の保持期間をカスタマイズする

管理者は、管理対象ユーザーのアカウントにおけるごみ箱内のアイテムの保持期間を設定できます。この期間が終了すると、アイテムは完全に削除されます。選択可能なオプションは以下の通りです。
  • 7日間
  • 14日間
  • 30日間(デフォルトの保持期間)
  • 60日間
  • 90日間
  • カスタム設定(Custom)
  • 自動削除を無効化(Never auto-delete items、ポリシーを含む)
適切な保持期間を設定することで、誤削除によるデータ損失リスクを軽減し、企業のデータ管理ポリシーを強化できます。

ゴミ箱の保持期間のカスタマイズ

補足情報:

  • この設定を変更しても、すでにごみ箱にあるアイテムには適用されません。 変更後に削除されたアイテムに対してのみ、新しい保持期間が適用されます。
  • カスタム設定(Custom)の選択は、Box Governanceパッケージの一部として提供されています。 カスタム保持期間は7日から最長10年まで設定可能です。

組織の要件に合わせてごみ箱の設定をカスタマイズしたら、「保存」 をクリックしてください。

6. Boxのデータ復元に関するよくある質問

  • 以前のバージョンのファイルをBoxで復元できますか?

はい、以下の手順でファイルの以前のバージョンを復元できます。

1)Boxの「すべてのファイル」ページに移動します。
2)復元したいファイル名をクリックします。(ファイルがプレビュー画面で開きます)
「その他の操作(…)」をクリックし、「バージョン履歴」を選択します。バージョン履歴のサイドバーに、そのファイルのすべての過去バージョンが表示されます。

ファイルの以前のバージョンを復元する
3)復元したいファイルバージョンの横にある「…(省略記号)」をクリック し、「現在のバージョンとして設定」を選択します。これにより、選択したバージョンが最新のバージョンとして復元されます。

ファイルを以前のバージョンに復元する
  • Boxのファイルが突然消えたのはなぜですか?(削除していないのに見つからない場合)

Boxのファイルが突然消えた場合、以下の可能性を考慮してください。
  • 紛失したファイルが、他のユーザーと共同作業していた共有フォルダー内にある場合があります。 フォルダの所有者があなたのアクセス権を削除した場合、そのフォルダーにはアクセスできなくなります。この場合、フォルダー所有者に連絡し、Boxアカウントに関連付けられたメールアドレスで再招待を依頼してください。
  • ごみ箱から完全に削除(パージ)されている可能性があります。 ごみ箱の保持期間(デフォルトでは30日)が過ぎた場合、または手動でごみ箱から削除された場合、ファイルは完全に削除されます。有料プランのユーザーであれば、削除から14日以内であればBoxのサポートに連絡し、復元を依頼できます。しかし、14日を過ぎると、データは完全に失われ、復元することはできません。 Boxのデータを保護するために、バックアップソリューションの導入を検討してください。
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